掃き溜めに鶴

むかし、
すきだった人が就職の内定をもらったそうだ。

不動産業で、
人生で一番高い買い物に関わることで飯をくうことに決めた。
と連絡がはいった。

私と同様、
農学部に所属し、
大学院にも進み、
趣味で音楽を嗜んでいた。

頑張れそうだから、
最後はその理由で決めたよ。
とのこと。

私は、どうなんだろう。

お給料をとっても、
お休みをとっても、
この会社でがんばれそうだなんて、
思えない。

現場から本部に移って、
お休みは増えたし、
帰宅時間も早くなった。
だから、その頃と比べたら、
頑張れそうかも。とは思う。

業務内容は、以前の方がすきだった。
お客様と触れ合えるお仕事の方が。

怒られても、
クレームがでても、
失敗しても、
お客さまとの出会いや笑顔で頑張れてた。
実際に。

お客様の笑顔は美しい。

何が起ころうと力をもらえる。

気持ちの上では、
掃き溜めに鶴。

今の私には、
彼の存在が、
掃き溜めに鶴。

私の曖昧な人生の中で、
頑張れるだろう　そんざい。

全てがよいわけで無くっても、
それでいいや。

迷わずにいる人なんて
どこにもいない。

明日が今日よりも輝かしいと、
楽しいと信じていられるから、
迷うし、
それでも笑い続けるんだろう。

少なくても、
私は、今が悲しくても
明日を信じていたいんだな。